利他~知らない誰かのために雪を踏む~【2024-常設展示 パネル③】
りた しらないだれかのためにゆきをふむ 2024 じょうせつてんじ ぱねる 3小千谷の人々の特徴で度々挙げられるのが【利他の精神】です。 自分の稼ぎを何年も蓄え、有事に遠方の人々にでさえ施す佐藤佐平治。まちの安全を守るために財産と知恵を出し合う対話を繰り返し実現した佐藤半左エ門。明治以降の近代化する日本のあるべき像を見据え、いち早く「学校」の設立を訴え・動き・私財を惜しまず投じた山本比呂伎。 これはなにも、偉人の話の中にある逸話として残された特別なものばかりではありません。 小千谷縮の製作において、自分の出来る最大限の力を尽くし、次の工程の職人へ繋ぐ人々。自分の大切な家族や友達を守るために雨のように降り注ぐ銃弾の中、力の限り戦った人々。自分の家の雪をどかしたら、隣の家までどかす、雪国でも当たり前でないことを日常的に行う人々。 このように利他の精神は偉人の物語の中だけでなく、気が付かないだけで実は我々の遺伝子の中に感じることができます。 ここでは近世~現代における人々や偉人の痕跡から、小千谷の利他の気持ちにあふれた市民性の根源をたどり、これからも「知らない誰かのために雪を踏み、すぐ消えてしまうかもしれない道をつくる」ことの大切さ小千谷らしさを継承していきましょう。