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【みんなの手で、未来づくり大作戦】2024-常設展示-小千谷縮の製作技術継承者

みんなのてで みらいづくりだいさくせん 2024 じょうせつてんじ おぢやちじみのせいさくぎじゅつけいしょうしゃ

小千谷の文化財を受け継ぎ未来につなげる人たちの、手と声を、聞き取り調査をもとに紹介します。

おぢやの千の宝
Published on September 26th, 2024(Updated on October 11th, 2024)

小千谷縮の製作技術継承者

2024‐常設展示⑨ 宿命的ではないけど、本製を残していかなくてはいけない 山岸良三(昭和19年生まれ) 《画像は近日公開予定です お楽しみに!》

【みんなの手で、未来づくり大作戦】2024-常設展示-小千谷縮の製作技術継承者

おぢやの千の宝
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①あなたは文化財に関するどんな活動をしていますか

小千谷縮の技術を伝承させる団体、技術保存協会の一員。 協会の目標は、技術の伝承、技術を永遠に残していくこと。(重要無形文化財の技術で)できた製品を出すときは、検査して保証をしている。もう一つは、後継者を養成する。

重要無形文化財は個人でなく、団体として指定されているので一代限りではない。作業は分業制なので団体指定、これは本当にありがたい。苧うみ(糸づくり)する人を人間国宝、というような個人指定だったら、とっくの昔に技術はなくなっている。

小千谷縮・越後上布

小千谷市ホームページ

②いつからその活動をしていますか

昭和63年に織物組合の理事長に就任した。その前の年、協会のメンバーが一人足りなくなって、みんなまじめで、何とかしようという意識があったから、組合としても何かできないと相談したら「お前がやれ」と言われた。 昭和60年頃は、どんどん縮の売り上げが減っていた時期だった。60代70代の人はやってられないから、30代40代の若いお前らがやれということ。一番苦しいときに入った。最初は3人体制だったが、出たり入ったりして今は4人。これはちょうどいい人数だと思う。ただ、10年後、例えば2人になったときどうやって残すかが課題。 本製(重要無形文化財の技術で作られた小千谷縮)を作るうえで一番大変なのは糸。うんだ糸をいかに使える状態に持っていくか、糸づくりが一番大変。糸づくりの段階で根気よくやってくれれば後の作業は楽、苧うみがしっかりしていれば問題ないが、昔のような細さが今はなく、ひねりも少ない。職人さんが次の工程を考えてくれれば、後は楽になる 嬉しいのは、自分は図案の設計からやるから、検査をして、きれいにして仕上げ屋さんに渡して、描いたものが出来上がったとき。

昔の縮づくりは、家族全員が携わっていた。絣つけたりは男の人がやったり、糸はおばあちゃんたちがやっていた。家族全員が協力しあってやっていたんだろう。 自分の親父は17歳の4月に倒れて、10月まで意識不明だった。10年間生きてくれたからいろいろな勉強できたけど、一緒に飲めなかったのが残念。 20歳から営業に出るといっぱい飲まなきゃいけなかった。その時、姐さんたちから聞く親父の話が豪快で、一体どんな人だったのかと(笑)親父の世代の人と一緒に動いたので、いろいろなことを教えてもらった。大人のふるまいとか、しちゃいけないこととか。先輩達にはかわいがってもらった。 親父が倒れたことで、会社に入ったけど、倒れなきゃ違うことをしたかもしれない。

③その活動で大切にしていることは何ですか

地域みんなで、大切に継承していかなければならないということ。 技術として文化財の要件は5つだけど、糸を使える状態に持っていくまでにいろいろある。絣にしても工程がたくさんあるし、細かく上げていくと20人、もっと関わるかもしれない。 分業なので、全部を個人でどうこうできるものでもない。小千谷だけでなく、塩沢やいろいろな産地と一緒にしていかないとダメになる可能性が高い。 縮の製作体験講座には、全国から来てもらえる。全国的に興味を持ってくれる人がいるから、そういう人たちを巻き込んで、どうすれば残していけるかを考えないと、なくなるという危機感がある。 実際、本製だけやっていると飯は食えない。99%は他、本製は道楽で作るような感じ。自分は今までやってこれたけど、次の人たちが自分と同じ気持ちでやるのは難しいと思う。保存協会に対する考え方、縮に関する考え方を伝えるのは難しい。

④その活動でもっと取り組みたいことは何ですか

原点は「布」っていう考え。 帯と着物にこだわっていたら今後難しいということで、布にこだわってやったのが「世界の麻展」。一部屋すべての布を縮でやった。それは評価されているし、自信も持ったけど、ヒトモノカネがなく断念した。それから、NICO(新潟産業創造機構)から指導を受け、今もサンプラの2階で売っている「Free From」を始めた。男性は流行がないから、動きのにぶい小千谷でもいいだろうと。平成7年には、新潟の伊勢丹でファッションショーを、造形大の学長を引っ張り出してやった。

ショップ匠之座

小千谷織物同業協同組合

布を持ってイタリアに行って、みてもらったこともある。そこで、世界でも通用するが、日本は商社任せだから、売りたければ全部自分でやらなきゃいけないと言われて挫折した。 自分は文化財に引っ張られたから、布については組合に任せた。できたら、世界を相手に、小千谷縮を布としての可能性紹介する人が出てきてほしい。 布と本製(文化財)の小千谷縮を考えたとき、自分は本製を知りすぎたから、やっぱりこっちなんだろうなと。宿命的ではないけど、本製を残していかなくてはいけない。

⑤小千谷の好きなもの、ことは何ですか?

そば。自分がやっているから縮、錦鯉なんかもいいと思う 小千谷の原点は自然、信濃川と三山、山本山をあがってもいいと思う。小千谷の自然は大好き。

⑥未来の小千谷の人たちに伝えたいこと

「地元のよさはありますか」と言われたときは挙げられないけど、住んでみたときいいものを持っているのが小千谷だと思う。自然のまま生かしてもらって、住みよくて、いいまち。ただ、いいところを気が付かないのが困る。 他から来た人からいろいろな魅力を教えてもらって、市民がいいところを知って、もっと自信をもってほしい。雪だって財産だし、住んでいるところに自信を持っていってほしい。

(2024年9月)

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