絵紙って何?
えがみってなに小千谷市指定文化財に「小千谷の雛祭りにおける絵紙飾りの習俗」というのがあります。 雛祭りに絵紙というのを飾るらしいというのはわかると思います。では、「絵紙」って何か知っていますか?
絵紙って何?
「絵紙」は小千谷の言葉で、浮世絵、特に多色刷りの木版画である錦絵のことを言います。それ以外にも、文字通り絵の描いてある紙であれば絵紙ということもあるようです。 この言葉は、以前は北陸から東北にかけて使われていたといわれています。
絵紙ってどう読むの?
絵紙は「えがみ」と読みます。 「えし」や「えてがみ(絵手紙人気で、ないはずの「手」も読んじゃったようです)」と読み違えられることも多いのですが、絵紙は「えがみ」、ぜひ覚えてください!
なぜ小千谷に絵紙があるの?
小千谷に残るのは、江戸、東京で出版された浮世絵です。当時、安く、かさばらず、きれいで、最新の情報や流行が描かれた浮世絵は、江戸から地方への人気の土産品でした。 そして、小千谷では江戸時代に小千谷縮の生産が始まります。その商売で江戸に行った際、お土産として浮世絵を買って帰ってきたのが、現在でもたくさん残っている理由だと考えられています。
雛祭りと絵紙
いつからかはわかりませんが、小千谷縮関係の商家が多い本町などを中心に、雛祭りに絵紙を飾るようになりました。 雛祭りに飾る絵紙は、多くが横に3枚、たてに4~5枚がつなぎ合わせてあり、お雛様の背景や部屋の壁全体に飾ります。 小千谷の雛祭りは、月遅れの4月3日行われていました。昔は4月とはいえ、まだまだ2階の高さまで雪が残っていたそうです。そんな中、子どもたちは、近所や商家のお雛様を見て回るのを楽しんだといいます。小千谷の雛祭りは、まだ雪が残るなか春の訪れを感じさせる、華やかで楽しいハレの場でした。 この風習は、昭和30年以降に衰退することもありましたが、現在にもしっかり受け継がれています。そして、令和元(2019)年に「雛祭りにおける絵紙飾りの習俗」として、小千谷市の無形民俗文化財に指定されています。
雛祭りと絵紙
ひなまつりとえがみ絵紙≒浮世絵
今も残る小千谷の絵紙の多くは、雛祭りの飾りとして家々で受け継がれてきました。浮世絵と絵紙は同じものではありますが、受け継いできた家々の歴史や人々の思いがある分、絵紙はやっぱり絵紙。ただの浮世絵とは、ちょっとだけ違うのです。