牛の角突きの習俗【小千谷の文化財】
うしのつのつきのしゅうぞく おぢやのぶんかざい牛の角突きの習俗
- 指定区分
- 国指定
- 種別
- 風俗慣習
- 指定年月日
- 1978年5月22日
牛の角突きは、小千谷市東山、長岡市山古志、魚沼市広神にまたがる二十村郷(にじゅうむらごう)で始まった習俗です。 一説には岩手県南部地方から鉄を運んできた荷後用の牛を買い、農耕に使うかたわら角突きを始めたといわれています。江戸時代のべストセラー曲亭馬琴の『南総里見八犬伝」の中には、当地の牛の角突きに関する記述があります。 二十村郷の牛の角突きは、五穀成就や安全祈願、神への感謝を込めた神事としての役割もあり、牛舎祭り、牛見祝、出陣、引き出し、勝ち祝、面細い等の行事で構成されています。 闘牛場では、勢子の「ヨシター」の掛け声が牛に勢いをかけます。国内各地の闘牛の中で、唯一勝ち負けをつけず、引き分けを原則とすることが大きな特徴です。牛飼いはこの日のために、牛を家族のように育て、成長を慶び、技を楽しむという、牛・牛飼い・地域が一体となった習俗です。また、「木牛」という牛の角突きにちなんだ郷土玩具もあり、現在も東山地域ではその製作技術が大切に伝わっています。