大明神遺跡発掘調査記録 chapter4≪表土掘削その2/2025年6月12日≫
だいみょうじんいせきはっくつちょうさきろく ちゃぷたー4 ひょうどくっさくその2 2025ねん6がつ12にち表土掘削が進むとぼんやりと遺構の形を見ることができます。縄文時代の黄色い土に黒い土が混じっているところがあります。これこそが縄文時代の当時に穴が開いていたことを示しています。人間が掘った穴は、わざと埋めない限り、腐った植物や風で飛んできた砂などによって、少しずつ時間をかけて埋まっていきます。
【大きな遺構の検出状況】
黒い土が残っているところのほとんどは、この数千年の間にたまったところです。この土の中に、昔の人が使った道具や、建物の柱等が一緒に埋まっています。ご覧のとおり、黒い土が多ければ多いほど、遺跡を掘るのに時間がかかることがわかることでしょう。
【竪穴住居の検出状況】
この大きな楕円の黒い部分は竪穴住居と思われます。縄文時代中期の竪穴住居は楕円形で5mくらいのものが多いので、まさにこの大きさです。発掘調査するのが楽しみになる一方で、掘るのが大変なんだろうなとも思います。
【遺跡をブルーシートで保護する様子】
遺跡の土には、大きな弱点があります。それが雨と乾燥です。土は数百年、数千年の時を経て久しぶりに空気に触れたものです。このためとても弱いのです。例えば雨に当たると土がとけてしまったり、流れてしまったり、ドロドロになってしまうことがあります。例えば長い時間太陽の光に当たったり、風の勢いに押されたりすると、驚くほど固くなってしまい、掘ることができなくなります。 この自然現象と共存するために、遺跡は掘ってから時間を経ないうちに「ブルーシート」で覆います。さらにブルーシートが風で飛ばされないように土嚢でおもりを置くことも忘れてはいけません。 文:小千谷市学芸員 白井雅明