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第12回西脇順三郎を偲ぶ会 プチどんぐりフェスタ20250906

だいじゅうにかいにしわきじゅんざぶろうをしのぶかいぷちどんぐりふぇすた

第12回西脇順三郎を偲ぶ会 プチどんぐりフェスタ~高校生が西脇順三郎賞新人賞に挑戦~ 【概要】 日時: 2025年9月6日(土) 午前11時 ~ 場所: 小千谷市ひと・まち・文化共創拠点ホントカ。フロートエリア 主催: 西脇順三郎を偲ぶ会 記録:金子 克之

西脇順三郎ライブラリー
Published on September 13th, 2025(Updated on September 21st, 2025)

詩人で、第2回西脇順三郎賞受賞者の広瀬大志さんは西脇順三郎の詩をこう評しています。 ともかく「クール」。手放しで「カッコいい」と言える詩。それが西脇さんの新しさの一つであると思います。その手法には主に2つあります。 ① 西脇さんの詩の概念、さらに本質的な詩学において、「遠いものの連結」という書き方があります。つまり全く関連性のない突飛なものを繋げることにより、新たな美と呼ぶべき言葉の関係つまり詩が誕生するというものです。 ②もう一つがイロニー(皮肉や逆説や風刺など) 。これは、西脇さんが非常に好まれるところです。詩の中に何らかのイロニーを入れることによって、詩情を湧き立たせる。それが西脇さんの書き方で、たくさんの洒脱な言葉を挟み込んでいらっしゃいます。 こうした西脇順三郎の魅力を地元の若い人たちに知ってもらいたいと考え、16年前にスタートしたのがプチどんぐりフェスタです。小千谷高校文芸部のみなさんと西脇順三郎の詩の鑑賞や、英語の詩を訳してみるなどの活動をしてきました。でも、今回は特別です。初めから西脇順三郎賞に応募することを目標に高校生たちとセッションを重ねました。そしてプチどんぐりフェスタで応募作品を発表してもらうことにしたのです。

プチどんぐりフェスタの前に、小千谷高校文芸部のみなさんと以下のような準備を進めました。

① 英詩「April Rain」を訳してみる。日本語ではごくありふれた表現を、英語を訳した時のような独特の雰囲気を出せないか、それをどのように「カッコよく」、詩らしく表していくか、まさに日本語との格闘を体験しました。  題材に取り上げた「April Rain」で西脇順三郎は、単に「昔フェリーで小島に行ったことを思い出す」という内容を、英語では「かすかな記憶が 私の埃っぽい魂をフェリーで小島へと運ぶ」と表現しています。動詞「思い出す」をこんな風に表現できたらカッコいいですね。ちなみに小千谷高校校歌は「信濃川静かに流れよ わが歌の尽くるまで」で始まります。これはイギリスの詩人E.スペンサーの詩の一節「SWEET THAMES, RUN SOFTLY, TILL I END MY SONG」のテムズ川を信濃川に変えてそのまま訳しています。英語からのインスピレーションも応用できそうです。 ② 「April Rain」は読んでいてイメージが広がるだけでなく、目まぐるしく視点が変わることを参考にして、テーマについて漠然とした景色だけでなく、具体的な色、音、匂いなどイメージできる言葉をどんどん挙げてみる。そしてイメージの遠近をちりばめてみるなど、施策のテクニックを話し合っているうちに、大人びた詩が書けそうな気がしてきました。 ③ いよいよ西脇順三郎賞応募に向けて詩を作ってみる。 タイトルは「四月の雨」。あえて逆の表現(イロニー)をしたり、突飛な展開(遠いものとの連結)を入れてみる。  列挙した単語を今度はどう修飾、形容するか。インパクトを出すためにきれいなものをあえて汚い言葉で形容したり、そっちかい!と思われるような突飛な展開をさせる?シュルレアリズムは結局「ツッコミどころがありすぎて、どこから理解すればいいのか分からないから、もういっそのこと、すべてを受け入れたい」の技法。思い切ってイマジネーションをぶっ飛ばしてみよう!    高校生がどんな詩を作ってくるか楽しみです。

イベントの様子

イベントの様子①

いべんとのようすいち

第12回西脇順三郎を偲ぶ会 プチどんぐりフェスタ20250906

西脇順三郎ライブラリー
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イベントの様子①

いべんとのようすいち

プチどんぐりフェスタ開催

日時: 2025年9月6日(土) 午前11時 ~ 場所: 小千谷市ひと・まち・文化共創拠点ホントカ。内フロートエリア 主催: 西脇順三郎を偲ぶ会 発表者:高橋美帆さん(小千谷高校文芸部2年)、矢尾板怜司さん(小千谷高校文芸部1年) いよいよ本番、高校生によって朗読された詩に、会場から質問が出ます。 「いずれもタイトルが四月の雨ですが、どんなインスピレーションがモチーフになっていますか?」 矢尾板さん 「西脇順三郎が、イギリスの詩人T.S.エリオットの作品を高く評価していたと聞きました。「死者の埋葬」という詩編で、四月は残酷極まる月だという表現があります。残酷極まる四月から想像を膨らませて、詩にしてみました。」 高橋美帆さん 「ハルシネーション(生成AIが事実に基づかない情報や、あたかも真実であるかのように見える「もっともらしい嘘」を生成する現象のこと)という言葉が気になっていて、そこから連想したことと、サルバドール・ダリの絵が好きなので、その絵を連想させる表現にしてみました。」 二人とも、「詩を作るのは大変だけれど、イマジネーションを膨らませて言葉を選び、どうやったらもっとインパクトが出せるかを考えるプロセスがとても楽しかった。」と感想を伝えていました。とても大人びて、カッコいいですね。 若い人たちが、地元小千谷の生んだ偉大な詩人西脇順三郎に興味を持ち、詩を鑑賞し、西脇順三郎賞に応募してくれることを期待して、今後もこうした活動を続けていきたいと思います。

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