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大明神遺跡発掘調査記録 chapter3≪表土掘削その1/2025年6月11日≫

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おぢやの千の宝
Published on June 18th, 2025(Updated on June 20th, 2025)

発掘調査を行う第一歩が表土掘削です。発掘調査は通常数か月にわたり行われるのですが、この作業により、その工程が決まると言っても過言ではない、とても大切な作業です。遺跡を発掘するのは、発掘調査員や発掘作業員と呼ばれる「人」達です。このため作業はとてもゆっくり進むように感じます。実際に遺跡の土を人間一人の力で、しっかりと気をつけながら掘ると多くてもお風呂一杯分くらいしか掘れません。まして竪穴住居の埋まっている土や、土器を大量に含む土なら、水槽一つ分くらいしか一日も掘ることはできません。 では、これを水田表面の土の最初から最後まで全部人で行うかと言えば、そうではありません。 遺跡として識別できるギリギリの場所まで重機(バックホー・通称ユンボとも)にて掘削していきます。

【重機を使って表土を除去する様子】

大明神遺跡発掘調査記録 chapter3≪表土掘削その1/2025年6月11日≫

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この時、最も気をつけることが、「土を残しすぎない」ということです。土を残しすぎると、すべて人で除去しなければなりません。このため、その後の発掘調査において工程を早めるも遅らせるも全て重機の一掘り一掘りにかかっています。 とはいっても、削りすぎてもいけません。縄文時代の人が暮らしていた地面ギリギリの場所で止めなければ、貴重な竪穴住居の形や当時の生活を復元することができなくなるからです。 次に気をつけることが、

  • 今掘っている土は2度と復元できない貴重な歴史の資料であるので時間をかけ慎重に行う。
  • 竪穴住居などの穴の質や量をしっかりと把握して調査全体の計画や工程をえがく。
  • 土の中に土器・石器が入っているので、残さず拾いきる。

ということです。

【表土から出てきた遺物(細長い石器は打製石斧です)】

大明神遺跡発掘調査記録 chapter3≪表土掘削その1/2025年6月11日≫

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重機でどんどん掘っている黒い土は、縄文時代の人々が使っていた道具を含んでいます。『遺物包含層』などと呼ばれます。当時の道具は土・石でできているためとても柔らかいです。重機の爪が当たるだけで簡単に壊れてしまいます。このためわずかな土の変化を常に観察して拾い上げる必要があります。また遺物は大きいものばかりではありません。親指以下ほどの大きさの道具や土器の欠片も多くあります。この一つでも見つけられないと、当時の生活の復元ができなくなってしまうかもしれません。 このように、表土掘削は考古学に関しての深い見識と経験が問われる最も大切な作業と言えるのです。 文:小千谷市学芸員 白井雅明

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