明治時代の髪型にしてみよう

ホントカ。探検隊Published on September 19th, 2024(Updated on October 11th, 2024)

Report Issue

「ざんぎり頭をたたいてみれば文明開化の音がする」これは明治時代に大流行した曲の歌詞で、「ざんぎり頭」は男性の新しい髪型のことです。明治4年に散髪脱刀令が出されると、それまでの髷を結い、月代（さかやき）を剃ったスタイルから一変。髷を切り落として、現代と同じように髪を短く切るようになりました。政府が西洋と対等に渡り合うために西洋化を進めるにしたがって、人々のファッションも急速に変わっていきました。男性バージョンはこの歌のおかげで有名ですが、女性はどうだったのでしょう？

女性のざんぎり頭

断髪令には特に性別が書かれておらず、政府が熱心に推奨したため、男性に続いて髪を短く刈る女性が現れました。しかし、当時は「長い黒髪」に女性の美を認めていた世論が猛反発し、翌年には女子断髪禁止令が出されてしまいました。

婦人束髪会

女性の髪型が変わったのは、実はファッションというよりも衛生や経済の問題があったようです。明治18年に医師の渡邊鼎（かなえ）と経済雑誌記者の石川暎作は「婦人束髪会」を設立して、西洋の髪型に影響を受けた「束髪」を広める活動をしていました。日本髪は髪結いに結ってもらうため費用がかさみます。また、油で固めてあるので窮屈で髪をこまめに洗えません。束髪は自分で結えて身軽なため、衛生的かつ経済的負担を和らげる、というのがメリットだそう。束髪は和装にも洋装にも似合うので、急速に浸透しました。