大明神遺跡発掘調査記録 chapter8≪作業環境/2025年6月17日≫
だいみょうじんいせきはっくつちょうさきろく ちゃぷたー8 さぎょうかんきょう 2025ねん6がつ17にち遺跡は誰が掘っていると思いますか。
正解は「人」です。詳しく言えば遺跡発掘作業員と呼ばれる臨時的に雇用した市民の皆様です。この人達がいなければ遺跡を掘ることはできません。いつも炎天下の中、冷たい風雨の中、ひたすら土と向き合い黙々と遺物を見つけながら、遺構を掘っていただいております。この作業員さんたちに少しでも安全に作業いただけるよういくつかの工夫が見られます。
【安全に作業いただく工夫を探してみましょう】
例えば、ヘルメットの着用が必須です。遺跡では様々な刃物を使います。また作業中に掘削土や掘削土の中から石が出てきます。さらに時には排土のためにベルトコンベアやバックホー等の建設機械を用います。こういったものから頭部を安全に守るために決して大きな土木作業ではありませんが、ヘルメットの着用が必須となるのです。 他にも掘削した穴に落ちないようにベニヤ板により穴をふさぐ、現場へ昇降がしやすいようにアルミ板の桟橋を架橋する等様々な工夫を行っています。
【暑さ、降雨等から身を守る工夫】
遺跡を掘る環境は、日々変化します。暑い日、寒い日、突然の雨・雪、こういった時にすぐに休憩所に行くことができるとは限りません。このため調査を行っているすぐ近くにテントを建てることで、緊急的に対応できるようにします。場合によっては、遺跡を掘っている場所まで下ろして日陰を作り出すこともあります。 このように遺跡発掘現場では、少しでも安全・安心に作業していただけるよう様々な工夫を行っているのです。
文:小千谷市学芸員 白井雅明