大明神遺跡発掘調査記録 chapter11≪遺構の掘削/2025年6月25日≫
だいみょうじんいせきはっくつちょうさきろく ちゃぷたー11 いこうのくっさく 2025ねん6がつ25にち遺構の掘り方は、ただ黒い土を形通りに掘れば良いというわけではありません。この穴がどのように埋まっていったのかを確かめることで、遺構の性格を確認し、遺跡の復元を行うことができるのです。 例えば、土がゆっくりたまった痕跡があれば、「捨てられた穴」ですし、土の塊がゴロゴロ入っている痕跡であれば、「お墓」ですし、砂や粘土が重なっていれば洪水等の「災害」の跡と考えることができます。
【遺構を半分ずつ掘る様子】
では、どのようにしてこの「埋まり方」を確かめるのでしょうか。よく見ると穴を半分にしている様子が確認できます。このようにして掘ることで、土層を観察することができるようになります。ただとても掘りにくいという特徴もあります。例えば写真のように大きな石がのっている場合、崩れないようによけながら掘る必要があります。土器が土層断面にささっていれば傷つけないように、動かないように掘る必要があります。
【遺構を丁寧に半分ずつ掘る様子】
中でも「穴そのものが小さいもの」が最も掘りにくいと言えます。特に小さい穴を掘る時には、手が入らないものもあります。そんな時は、お玉やスプーン等料理に使うべき道具を駆使して掘らなければなりません。このように様々な工夫することで遺構を適切に掘ることができるのです。
文:小千谷市学芸員 白井雅明