大明神遺跡発掘調査記録 chapter14≪土の掘り方/2025年7月8日≫
だいみょうじんいせきはっくつちょうさきろく ちゃぷたー14 つちのほりかた 2025ねん7がつ8にち遺跡では様々な土の掘り方がありますが、最もおなじみの掘り方が「移植ごて」でゆっくり丁寧に掘ることです。遺跡からは様々な遺構・遺物が出土します。そのためスコップ等おおきな道具でガンガン掘ってしまうと、そういったものが壊れてしまいます。壊れてしまわないように手でにぎることができるような小さな道具で掘ることとなります。
【移植ごてで断ち切るように掘る】
土の中から出土するものは矢じりや土器の欠片などとても小さいものが多いです。そのため大きな土の塊が出るような掘り方をしてしまうと排土と一緒に捨ててしまうことになります。できるだけ捨てないようにするために、土を薄く掘る必要があります。そこで移植ごての側面を通常よりも鋭く包丁のように砥いで、刺身を切るように土を薄く削ぐように掘っていきます。
【移植ごてですくうように掘る】
遺構の中の土を掘る時は、土の中から出土する遺物が、遺構の性格を示すことがあるため、特に丁寧に探す必要があります。このためやはり研いだ刃物のような移植ごてで切りすくうように掘っていきます。さらに湾曲した穴の形にあわせて、移植ごてを湾曲する加工を施す場合もあります。
文:小千谷市学芸員 白井雅明