大明神遺跡発掘調査記録 chapter10≪土に含まれる物質/2025年6月23日≫
だいみょうじんいせきはっくつちょうさきろく ちゃぷたー10 つちにふくまれるぶっしつ 2025ねん6がつ23にち2025年7月13日公開(2025年7月13日更新)
発掘調査では色々な土に出会うことができます。黒い土、黄色い土、赤い土、青い土、色だけでも様々な種類が見られます。この土の違いは、周囲の環境による要因や、「含まれる物質」によって変化します。
【他の黄色い土に比べて白っぽい土】
遺跡を掘っていて出会う土の中で一番見つけやすいのが黒い土です。この土を見つけることで、遺構として認識して昔の穴を掘ることができます。遺構を掘っていて見つかる物質は、粗い砂・細かい砂、水っぽい砂・乾いた砂、炭化物、腐った木、そして人工の遺物があります。
【白っぽい土の正体】
中でも見つかって最も驚くのがこの1~3mm程度の針状の白い粒々の砂のようなものです。これ、実は「火山灰」です。火山は長い時間の中で色々な場所で噴火をしており、様々な場所に火山灰が降り積もっています。小千谷では主に浅間山で噴火した火山灰が堆積しており、詳しく分析することで、遺跡の年代や遺構の性格を探る大きなヒントになります。この白い砂は何?と初めて見る人は、骨かもしれないと驚く方も少なくありません。
文:小千谷市学芸員 白井雅明