大明神遺跡発掘調査記録 chapter16≪遺構の断面/2025年7月10日≫
だいみょうじんいせきはっくつちょうさ ちゃぷたー16 いこうのだんめん 2025ねん7がつ10か遺跡・遺構の性格を知る上で大切なことが断面の確認です。柱穴のように小さな遺構は半分にして掘ることで、断面をきれいに確認することできます。断面はきれいな壁に仕上げ埋没する様子がわかりやすく見ることができます。
【柱穴の断面を観察する】
柱穴は主に2段階の埋まり方があります。柱を立てる時に埋めた土と、柱が無くなった後にたまる土です。まず当時の柱を立てる時に、一度柱よりも一回り大きく穴を掘ってから柱を設置します。そして柱がグラグラ動かなくするために、柱と穴の隙間に土を入れてしっかりと踏みしめます。このことにより、黄色い土に茶色っぽい土が混ざりあい、まばらな土層が出来上がります。次に建物が無くなった後、柱は再利用するために抜き取ることになります。柱を抜き取るとぽっかりと穴が空くこととなり、そこに時間をかけてゆっくりと黒っぽい土が流れ込み柱の形をした土層が出来上がります。
【遺構の断面を記録する】
遺構の断面は写真撮影と測量図面によって記録されます。写真撮影はデジタルカメラによるもので、昔に比べるとフィルムも使うことがなく、安価で簡単に記録を行うことが出来るようになりました。一方で、断面測量においては、昔ながらの手実測にて行うことが多いです。これはデジタル化するよりも、手実測の方が安価で簡単に記録を行うことが出来るからなのです。
文:小千谷市学芸員 白井雅明