大明神遺跡発掘調査記録 chapter18≪竪穴住居をみつける/7月27日≫
だいみょうじんいせきはっくつちょうさきろく ちゃぷたー18 たてあなじゅうきょをみつける 7がつ27にち遺構の中でも最も興味をもたれ、そして見つけるのが大変なのが、竪穴住居です。他の遺構と同じで黄色い地面に黒い大きな土の分布を見つければ良いというだけの話なのですが、そのように上手くはいきません。
【竪穴住居の形が見つかった様子】
例えば、竪穴住居は遺構の中でもとても大きいものです。このため竪穴住居の形を見つけようにも他の時代の遺構に壊されていることが多いです。ある時はお墓、ある時は竪穴住居の建て替え、ある時は水田、と様々な壊れ方をしており、黄色い土と黒い土が混在していることが多いです。このため土の微妙な変化をさらに見つける必要があります。
【土が踏みしめられて硬化した様子】
その一つが、固くなった地面です。竪穴住居の床面は縄文時代の人々が普段の暮らしの中で、最も踏みしめた地面と言えます。このため何年も踏みしめた地面は徐々に固く締まっていきます。ある時は外から飛んできた砂とともに、ある時は食べこぼした食べ物とともに、ある時は作りそこなった石器のクズとともに。なので、竪穴住居を見つけるヒントは、床面は固く土がまだら模様になっているところです。 さらに固くなっている地面の分布を追いかけ、竪穴住居が四角いのか丸いのか、何本の柱で立っているのか、等見つけながら形をしっかり捉えていくのです。
文:小千谷市学芸員 白井雅明