ホントカ。

《第2回》西脇順三郎賞・西脇順三郎賞新人賞

だいにかいにしわきじゅんざぶろうしょうにしわきじゅんざぶろうしんじんしょう
2025年3月24日公開(2025年12月17日更新)

西脇順三郎賞・西脇順三郎賞 新人賞は、現代の詩界を担う詩人の称揚と次代を創る新人の発掘をを目的に令和4年に創設されました。令和4年7月1日から令和5年7月31日までに刊行された詩集を対象とした西脇順三郎賞には公募と推薦で69点、詩篇を対象とした西脇順三郎賞新人賞には268点の応募がありました。 令和6年2月3日・4日に小千谷市において二次選考会を開催し、下記のとおり受賞作品を決定しました。

詩集の部:西脇順三郎賞(1点)

著者
広瀬大志
詩集名
『毒猫』
発行所
ライトバース出版
発行年
令和5年6月
著者略歴
1960年熊本県生まれ。埼玉県在住。詩にモダンホラーやミステリーの要素を導入し、独自な想像世界を展開している。主な詩集に『喉笛城』『ミステリーズ』『魔笛』『現代詩文庫広瀬大志詩集』(以上、思潮社)。

詩篇の部:西脇順三郎賞新人賞(1点)

著者
奥山紗英(鹿児島県)
詩篇名
「光を型抜き」
著者略歴
1999年鹿児島県生まれ。早稲田大学文化構想学部文芸・ジャーナリズム論系卒業。大学の授業をきっかけに詩を書き始め、雑誌に投稿を始める。2023年、第一詩集『双子』(七月堂)を刊行。
受賞作品「光を型抜き」を読む

光を型抜きしようとしても、できないのだった。光だからといって、星型のクッキーにはならないのだった。…

西脇順三郎賞新人賞奨励賞:2点 (著者名50音順)

著者
上杉健太郎(東京都)
詩篇名
「夏缶」
著者
末野葉(東京都)
詩篇名
「バベルの塔」
受賞作品「夏缶」を読む

私は、世界が馬の腹から手を入れて、青い翡翠の石を取り出す。…

受賞作品「バベルの塔」を読む

わたしには現代詩は書けない 朝日が直射してくるリビングで…

選考委員長の講評

広瀬大志『毒猫』に圧倒された。広瀬氏は、現代詩ホラー系と言われるほど、恐怖というテーマに取り組んできたが、この『毒猫』でそのピークに達したという感がある。恐怖がテーマといっても、何か怖い話を書くということではない。恐怖という意味内容をのせて、言語がどれほど先鋭化できるか、非予見化できるか、非意味化できるか、つまり要するに詩的言語化できるか、それが広瀬の詩作の基本的コンセプトなのである。ナラティヴではないので、たしかに読むのは大変だ。内向きの「現代詩」に閉じていると言えなくもない。しかし、閉域ゆえの濃度とインパクトがある。そのうえ、私はこの『毒猫』をげらげら笑いながら読んだ。そう、西脇順三郎が萩原朔太郎の『月に吠える』をげらげら笑いながら読んだように。恐怖とユーモアは広瀬作品において一つなのである。あるいは、もしかしたら広瀬氏は、実存的不安というよりは生存的恐怖に覆われた現代社会に恐怖の言語化を呪文のように突きつけることによって、悪魔払いとしての詩を実践しているのではないか。まさに「毒」をもって「毒」を制す、である。 小池委員が強く推した尾久守侑『Uncovered Therapy』は、たしかに現代社会特有の「生きる困難」をナラティヴの方向に掬い上げた秀作だ。しかし、やや臨床的立場に傾きすぎているのではないだろうか。尾久氏は、力のある書き手であり、精神医学の専門書から小説まで、レンジも広がりつつある。そのぶん詩の強度が薄まるおそれなきにしもあらずで、印象としては前詩集『悪意Q47』の方が「毒」に満ちていたように思う。今後に期待しよう。 大谷良太『方向性詩篇』は、逆に個的な事情による「生きる困難」を詩作によって生き抜こうとする姿勢が美しい。ただ、ゼロ年代詩人の友愛的な抒情の世界を再読しているような既視感が否めない。それで悪いということはないのだが、このような選考の場ではマイナスに働いてしまうだろう。 砌アイコ『曇りの昼寝』は本賞候補としては弱い。 文月悠光『パラレルワールドのようなもの』は脱皮への道半ばという感じ。 森川雅美『疫病譚』は力作だが一歩及ばずといったところか。

選考委員会

委員長
野村喜和夫(詩人)
委員
朝吹亮二(詩人) 太田昌孝(西脇研究者) 加藤孝男(歌人) 小池昌代(詩人) 五十音順

西脇順三郎賞
正賞:賞状 / 副賞:30万円
西脇順三郎賞新人賞
正賞:賞状 / 副賞:3万円
西脇順三郎賞新人賞奨励賞
正賞:賞状 / 副賞:1万円

贈呈式

開催日
令和6年3月16日(土曜日)
時間
13:00 受付(入場無料) / 13:30 西脇順三郎賞ふるさと賞表彰式 / 14:30 西脇順三郎賞・新人賞贈呈式
会場
小千谷市民会館大ホール(電話:0258-82-9111)

運営

主催
西脇順三郎賞実行委員会(構成団体:小千谷市・小千谷市教育委員会・西脇順三郎を偲ぶ会)
共催
慶應義塾大学アート・センター
後援
新潟日報社、小千谷新聞社、思潮社

最終候補作品

1次選考会での最終候補作品は下記のとおりです。(著者名五十音順)

西脇順三郎賞:詩集部門(6点)

  • 大谷良太『方向性詩篇』(発行:編集室水平線、令和5年5月)
  • 尾久守侑『Uncovered Therapy』(発行:思潮社、令和5年7月)
  • 広瀬大志『毒猫』(発行:ライトバース出版、令和5年6月)
  • 文月悠光『パラレルワールドのようなもの』(発行:思潮社、令和4年10月)
  • 砌アイコ『曇りの昼寝』(発行:青山ライフ出版、令和5年1月)
  • 森川雅美『疫病譚』(発行:はるかぜ書房、令和5年6月)

西脇順三郎賞新人賞:詩篇部門(7点)

文芸誌『現代詩手帖』(思潮社)3月号に受賞作の一部と選考会の講評が掲載される予定です。

  • 上杉健太郎『夏缶』(東京都)
  • 奥山紗英『光を型抜き』(鹿児島県)
  • 古林暁『かたつむり』(神奈川県)
  • 塩崎浩樹『三人による共作エチュード』(東京都)
  • 末野葉『バベルの塔』(東京都)
  • 森川ハルカ『秋が来た』(東京都)
  • 森水陽一郎『朱の友』(千葉県)
ホントカ。小千谷市ひと・まち・文化共創拠点
住所:〒947-0021 新潟県小千谷市本町1丁目13番35号電話:0258-82-2724FAX:0258-82-8915
開館時間:
屋内広場
食アンカー
発アンカー
響アンカー
※演アンカー西側トイレは24時間利用可能
休館日:毎月第2, 4火曜日及び年末年始
第2・第4火曜日
祝日に当たるときは、その翌日以後の最初の休日でない日
年末年始
12月29日から翌年の1月3日まで
食アンカー
毎週月・火曜日、年末年始

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