小千谷豊年獅子舞保存会の会長。

二荒さまの例大祭。7月の今は海の日の前の土日だから、毎月ちょっとずつ日にちはずれている。練習は7月に入ってから毎日、19時から21時まで元町会館でやっている。文化庁の助成を受けて「獅子舞教室」をやったときは、練習を少し多くやったこともあるんだけど、今は人数が足らなくて助成を辞退した。 昔であれば、子どもはみんな同じ町内だから、夜遅くても歩いて、友達同士で誘ってこれた。今は、桜町や城内とかからも来るので送り迎えがないと危ないから、毎日練習をやるとなると、それが家の人たちにとっては難儀なのかなと。 そして、大変なのは暑さ。本番は7月と決まっている。獅子舞のために二荒さまの神事を動かすわけにはいかない。衣装を着たりするので、熱中症対策が必要。去年は2日間やったけど、午前中でやめて、歩いて行ける本町や元町界隈だけにして、暑くならないうちにやめようと。今年も、そうしなければならないかなと思っている。暑さへの対策は、一番の課題。

今のように関わりだすようになってからは、10年くらい。獅子舞を踊ったことはないけど、囃子はずっと聞いていたので耳で覚えている。 子どもの頃は、恥ずかしくてやられなかった。子どもがいっぱいいたので、幼いころから大きくなったら獅子舞やるよとか、練習の囃子をきいていて、みんな教わらなくてもなんとなく覚えてきていた。自分が出なくても練習を見に行って、自然に覚えてきた。女の子は獅子舞をできないけど、一緒に見に行った。 他の町内の子は獅子舞にあこがれてて、入りたいというけどダメと断っていた。二荒さまの祭りは13日が前夜祭で14、15は平日だから、学校にちょっと行って、獅子舞だからと早退できた。それもうらやましかったのかも知れない。 子どもの数は、元町となって合併する頃から徐々に減っていった。町内の男の子がいなくなり始めてたいへんだということになり、20年くらい前から危機感を感じ始めたのではないか。 ただ、子どもが集まらない。子どもたちは4～6年生で、本当は1チーム4人で3チーム必要だけど、今までやっていた子どもたちが去年暑すぎてやめてしまった。今年は5年生が4人残るんだけど、それでは後が続かない。 おぢやまつりのお囃子なんかで笛をやる子は多いけど、獅子舞の笛は音が高い（数字でいうと８）から小学生の肺活量では難しい。 なんとか子どもたちの横のつながりで集められないか、親御さんも子どもたちを励まし連れてきてくれないかと。獅子舞をわかってくれる人が、地域にいればつながっていけると思う。

私が会長になって、子どもたちに大事にしようねと言ったのが「あいさつ、返事、靴をそろえる」ということ。 「あいさつ」は自分の気持ちを前に出す、お願いしますや、ありがとうございます。「返事」も気持ちを前向きにしてくれる。「靴をそろえる」も気持ちをそろえるとか、前向きにしてくれる。 獅子舞はたった4人で踊るが、気持ちをそろえて踊るというのが見ていてわかる。バラバラだと踊りがそろわないし、4人の中で1人でも一生懸命な子がいると周りも頑張るし、チームワークがでてくる。こうしろと言わなくても、あうんの呼吸というか、仲間意識というか、そういうのが出てくる。 一生懸命の学年になると、3チームあると1チームは踊るけど、他は休んでいる。でも、休みながら、踊っているチームを見ながら体を動かしたり、子ども同士で注意しあう姿も見られる。昔、野球部の子が多かった時期は、明日本番だというときに「円陣を組むか！」と言って「オーッ」ってやったり、そんな盛り上がりがあった。そういう姿が見られるのはうれしい。ほんの４，５人だけど、学年ごとのカラーがあったり。 4年生からやるんだけど、最初は覚えが悪いなとかいいながらも、次の年には去年よりすごいなとか、しっかりしたなとなったり。グループとしてのまとまりもそうだけど、一人一人の成長も見れる。あとは体格。側転をしたりするから、6年生くらいで体力がついてくると、力強さが見れる。

小千谷で自然が好き。信濃川の、昔市民の家があったところからの景色や、山本山の山頂にあがるまでの間に見る景色。