大明神遺跡発掘調査記録 chapter6≪表土掘削その4/2025年6月16日≫
だいみょうじんいせきはっくつちょうさきろく ちゃぷたー6 ひょうどくっさくその4 2025ねん6がつ16にち表土掘削の途中に一番楽しくてワクワクすることが、やはり遺跡がたくさん出ることです。しかし遺跡も広く掘ることで、多く出るところと少ないところがあります。出すぎても大変で、出なさ過ぎても寂しいという遺跡発掘調査員の「あまのじゃく」が感じられます。
【遺跡がたくさん出るところ】
遺跡が多く出ると、黄色い地面が見えません。これは当時たくさんの穴があいていたり、時代をこえて繰り返し同じ場所に穴をあけていたりと、たくさんの人々が暮らしていたことが考えられます。このため、遺物の入るカゴも一杯一杯に土器・石器が出土していることがよくわかります。こういった場所を調査することは、楽しい・うれしい・誰かが喜んでくれるに違いないと思う一方で、さぞ時間もかかるし、頭も使うのだろう、と複雑な気持ちになります。
【遺跡が少ししか出ないところ】
遺跡が少ないところは、黄色い地面が多く見えます。遺跡が少ししか出ないところは、いくつか理由があります。後世の開発で壊れている、地殻変動で下の層(石を含む層)が盛り上がり、遺跡の層を壊している、そして「そもそも遺跡が少ない」等があります。遺跡、縄文時代のムラは、ただ住むだけのところでなく、石器を作る・土器を作る・食べ物を加工調理する・お祭りをする・子供が遊ぶ・お墓を作る、等等様々な用途があります。さて大明神遺跡はどんなムラの配置をしているのか、どんな集落の性格をしているのでしょうか、調査の進展が今から楽しみです。 文:小千谷市学芸員 白井雅明