大明神遺跡発掘調査記録 chapter20≪遺物の選別/2025年7月31日≫
だいみょうじんいせきはっくつちょうさきろく ちゃぷたー20 いぶつのせんべつ 2025ねん7がつ31にち出土したままの状態の遺物は当然土が付いていて、その形状がよく見えないため洗ってみないと本当に縄文時代の遺物なのか、判別ができない場合があります。特に「石」は本当に石器なのか、ただの石なのか判別が難しいことがあります。そこで「遺物洗浄」(chapter9参照)が終わった後に、学芸員が仕分け作業をします。
【石器とそれ以外の石を仕分けする】
特に、木の実などを叩いて割ったり、すり潰したりするために使っていた「磨石類」は、ぱっと見そこら辺に落ちている石と区別できません。しかしよく見ると少しへこんでいて使用した跡が見られます。
【磨石類】
一見地味なこの石は、当時の生活の中で「食」を支えていた大切な道具のひとつです。今回の遺跡調査では多くの磨石類と、磨石類と一緒に使う石皿が見つかっています。このことから、食材加工の作業場があった可能性や、安定した食料確保ができていたことなどが予想できます。遺物ひとつを取っても、当時の情景を想像することがでる、それも発掘調査のおもしろいところです。
【残念ながらただの石判定をされた石たち】
文:小千谷市文化財調査員 関口 美どり