天竺からの景色【小千谷アルバム】
てんじくからのけしき おぢやあるばむ【小千谷アルバム】は小千谷の古い写真の紹介と、その撮影した時の場所や時代などの情報を推定する取り組みです。
昭和10年代 : 元町
天竺といってもインドのことではない。日吉2丁目にある地名である。現在では西脇順三郎の詩作台をはじめとして緑地整備されており、信濃川や山本山など小千谷の風光明媚な景色を遠望することができる西小千谷随一の景勝地として知られる。意外と知られていないことであるが、本町側もこの一枚のとおり大変美しく、かつ学びにあふれた情景を見せてくれる。ここから学べる最大の歴史は「江戸時代における小千谷の最繁栄期を支えたまちづくり」である。崖上は小千谷縮の生産をつかさどる本町であり、江戸時代以来伝統的な二階建て長屋造りの家屋が連続する。また小千谷病院も景観に調和するように横に大きなたたずまいであるものの、低層に仕上げている。一方元町は、小千谷縮の流通をつかさどる江戸時代の川港であり、依然港町さながらのたたずまいを残している。何より圧巻なのが、小千谷簡易裁判所であり、在りし日の「小千谷陣屋」を想起させてくれる荘厳な建物である。よってこの一枚は、単にきれいな景色なだけでなく、江戸時代以来の小千谷のまちづくりを類推するための重要な証拠であると私は考える。
場所
- 名称
- 日吉2丁目
- よみがな
- ひよし2ちょうめ
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