大明神遺跡発掘調査記録 chapter13≪竪穴住居か/2025年6月27日≫
だいみょうじんいせきはっくつちょうさきろく ちゃぷたー13 たてあなじゅうきょか 2025ねん6がつ27にち遺跡・遺構の性格を知る上で大切なことが断面の確認です。
このため様々な方法で断面観察の壁面を作りながら発掘調査を行います。例えば竪穴住居のように大きな遺構であれば、円形のそれぞれの端端では、堆積の状況が異なることがあります。例えば、風の向き・壊れ方・埋まる土の種類など様々な理由により、堆積状況が異なります。
【竪穴住居を分割して掘る】
そういった状況を踏まえ、竪穴住居の発掘では、「円形の半分を掘る」という原則ではなく、4分割ないし6分割にして通常より断面観察の壁面を多くして対応することとなります。
このようにピザを均等に切り分けるように竪穴住居を分割して発掘することで、竪穴住居の埋まり方を観察することができるようになるのです。 さらに竪穴住居では、当時の床面よりさらに下へ柱を立てていることから、写真のように丁度良く柱の位置と竪穴住居の埋まった土が合致することで、建物の廃絶方法を復元することができます。例えば、屋根を壊し、柱を抜き取ったのち建物が埋まっていくのか、建物と柱が全て崩壊したのでは、埋まり方が異なるため、この柱内の土と竪穴住居内の土が、一致するのかしないのかで、想定が大きく変化してしまうのです。
文:小千谷市学芸員 白井雅明